メインを食べ終えたモニターの女性たちがデザートの話をし始めた瞬間から、たしかに胃の中にググッとスペースが出来ていく様子が映し出されていました。脳から、「せっかくデザートが来るんだから、もうちょっとがんばれ!」という指令が出るのだとのこと。
じゃあ、最初からケーキの食べ放題に行った場合はどうなるのかと思ってしまうのですが・・・。
これと同じかどうかは別にして、例えばフランス人からクロワッサンをもらったり、イギリス人に紅茶を淹れてもらうと、もうそれだけで美味しいような「気がする」のも、たぶん脳の仕業でしょう。
「孤高のグルメ」のごとく本当に美味しいものを求めたりするのも、それはそれで奥深くて面白いと思うのですが、単に雰囲気とか、気分とか、一緒にいるメンツだとか、美味しい「気がする」と感じられる瞬間の方が、実はハッピーなんじゃないかと最近思ったりします。「本当に美味しい」とは一体何なのかと。
たとえイギリスに美味しいものが少なくても、クラシックなパブに入って「フィッシュ&チップス」を注文し、「Enjoy!」などと店員さんにニッコリ笑顔でサーブされるとそれだけで、日本からやって来た人たちは知らず知らずみんな満足そうな表情を浮かべているような気がします。
それはさておき、イギリスのお土産に何か手頃なお菓子を・・・と考える人はきっと多いことでしょう。
ヒースロー空港には「フォートナム&メイソン」(Fortnum & Mason)のショップもあるので、時間が無い場合にはここでお菓子や紅茶をまとめて買ってしまうのも、良いアイディアだと思います。
無難なのはビスケットやショートブレッド。
日本に住んでいると、おやつに本格的なビスケットを自分で買って食べるということはあまりありませんし、イギリスのものは、ジンジャー、レモン、アーモンド、紅茶味・・・などと種類も豊富なので、人にあげるときっと喜んでもらえるでしょう。
で、私も帰国する時には定番のビスケットを買ったりするのですが、以前「たまには何か違うものを・・・」と思って、このフォートナム&メイソンから出ていた「ダークチョコレート・セレクション」というのを一度試しにお土産に買って、自分もちょっと味見してみたことがあります。
・・・・これが大失敗!!
使っているカカオが悪いのか、加えているフレーバーが悪いのか、両方なのか・・・。
とにかく人工的なフラワー系の香りがするのにガマンができず、とても食べられませんでした。
「チョコレートが不味い!」という経験は日本であまりできないですし、フランスやベルギーのチョコでも当然考えられず、こういうところが実にイギリスらしく。今も売っているかわかりませんが、もし見かけたら気をつけましょう。
逆に日本に買って帰って、割と評判がいいチョコレートは「シャンパントリュフ」。
実は個人的にはそこまでファンでもなく、1個食べれば「もういいや」と思ってしまうのですが、日本であまり無いようなアイテムだからか、受けはいいです。
↓ おそらくイギリスで一番有名なブランドのもの。ガイドブックにもよく載っています。
↓ シャンパントリュフはフォートナム&メイソンでも大丈夫。
↓ これはトリュフというか、また違うブランドのギフト用ボックス。ここのも大丈夫。
↓ まだトライしてませんが、こんなチョコレートブランドも。
「innovative」という文字が不安を掻き立てます。
そうは言っても紅茶とセットで渡すことを考えれば、チョコレートなどにトライするよりも、やっぱりイギリス定番のビスケットやショートブレッドが一番いいのかもしれません。
ところで、日本人にとっては普段からあまりにも見慣れすぎて、素通りしてしまいがちな日本のデパ地下の洋菓子たちってありますよね。「ヨッ●モッ●」とか「メ●ー・チョコレート」とか・・・。
でも、あらためてヨーロッパのお菓子と食べ比べてみると、とてもレベルが高いことに気付かされます。
なので、例えばイギリス人に何かちょっとした手土産を渡したいというとき、「日本らしいものを!」と意気込んで無理に和菓子を選ぶよりも、日本のおいしい洋菓子をあげた方が実は喜ばれたりするのです。
(特に羊羹など重いですし、あれを好むイギリス人はごく少数派なので避けた方がいいかもしれません)