Kind Regards。

英国ネタをこつこつ載せてまいります。

Life & Stay (生活&滞在編)

前回の続きです。

もし保守党(Conservative)が2015年の総選挙で勝利し、再び政権をとることになれば、2020年までに
所得税(income tax)をカットするという方針を出しています。

具体的には・・・

①「personal allowance」と言われる、課税されなくて済む最低所得を拡大(10,000ポンド⇒12,500ポンド)②40%の高税率がかけられる所得のレンジを縮小

これをまとめてみると、下のようになります。

◆現在
(0%    10,000ポンド以下 )
20%   10,001~41,865ポンド 
40%  41,866~150,000ポンド 
45%         150,000ポンド超     
※ただし10,000ポンドはallowanceとして控除可能

◆将来
(0%    12,500ポンド以下 )       広がる
20%  12,501~50,000ポンド     広がる
40%  50,001~150,000ポンド    縮まる
45%    150,000ポンド超      
※ただし12,500ポンドはallowanceとして控除可能

上の書き方ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、要は今まで20%を払っていた人の一部が0%のレンジ
に入り、今まで40%を払っていた人の一部が20%のレンジに入るということです。(もし実現されれば)

・・・日本人から見れば、これでも十分に高いような気が。。
これが実現しようがしまいが、40%枠に突入するぐらいなら、むしろお給料を減らしてくれた方がマシだという
人は結構いることでしょう。 
 ⇒ これは間違い 「発見と修正 イギリスの所得税(3)」


ただ、このプランは「unfunded tax cut」だという批判も浴びています。
つまり、「税金をカットするのはいいけれど、減った税収の穴埋めはどうするんだ?」という指摘ですね。

この所得減税プランによって減ってしまう政府収入は、年間70~80億ポンド(1.3兆円ほど)。
少しでも財政赤字を減らしていきたい状況の中、結構大きな数字です。

日本のなだらかな「6段階」税率と違って、イギリスの「3段階」はその段差がまるで「崖」のようであり、
特に、最もレンジが広く、人数も多い中間層(middle class)の部分は、ちょっと動かしただけでもそのイン
パクトは大きくなります。
政府にとってみれば、税収が減ってしまう代わりに、ここをいじれば票の獲得にもつながりやすいという
一つのツールのようなものなのでしょう。


日本の場合、法人税(corporation tax)を意地でも下げようとしていますが、異常とも言える財政赤字の中、
せっかく確保している財源を手放す必要があるのですかね?
再三言われているように、アベノミクスで恩恵を受けているのは企業サイド(+資産を持つ個人)ですから
ちょっとはバランスを取ればいいのにと思います。

■tax cut, tax reduction (減税)

本当はもっとイギリスの暮らしとか文化を紹介できるような記事を増やしたいなあと思うのですが、
話の流れということで、もう少しだけニッチ(niche)なネタを続けます。


前回の記事で、国会議員のトピックスに関係して、税金の話が出てきました。

日本では消費税(sales tax、consumption tax)を10%に引き上げるかどうか、決断の時が迫っていますし、
イギリスでも総選挙をにらみつつ、各党がそれぞれのスタンスを打ち出しています。

しかし数ある税金の中でも、私たちの暮らしに一番ダイレクトに効いてくるのが「所得税」(income tax
ではないでしょうか。
この所得税は、収入の高い人ほど多く払うように、所得のレンジによって違う税率が設定されているもの。
いわゆる累進課税というやつで、このコンセプト自体は日本もイギリスも同じです。


今の時点(2014年度)で、日本とイギリスの税率(tax rate)を比べてみましょう。

まず日本では、このレンジは6段階だということがわかります。

①5%  (195万円以下)
②10% (330万円以下)
③20% (695万円以下)
④23% (900万円以下)
⑤33% (1,800万円以下)
⑥40% (1,800万円超)


イギリスの場合はどうでしょうか?

①0% (10,000ポンド以下) ※最低税率は20%だけれど、10,000ポンドまでは控除可能ということ。
②20% (31,865ポンド以下) 
③40% (150,000ポンド以下)
④45% (150,000ポンド超)

つまり、ゼロというのを別にすれば、20%、40%、45%の3パターンの税率しかないわけで、しかも③の
「31,866~150,000ポンド」のレンジがものすごく広いことがわかります。

お金持ちが「45%」を支払うのは別にいいにしても、中間層にいる人たちから一律「40%」を持っていく・・・、
これって結構キツイと思います。40%というと、日本での最高税率ですからね。
よく日本で、「いやー、稼いでるといっても半分ぐらいは税金ですよ!」などと芸能人が言ってたりしますが、
イギリスでは普通のサラリーマンたちがこれに近い感覚を味わっているということになります。

一国の経済規模に対する税収(tax revenue)のポーションは、イギリスの方が日本よりも若干高く、これは
おそらくこの所得税の影響が大きいのでしょう。

日本もイギリスも国の収支は赤字ですが、日本の方が重症であり、増税トレンドは避けられません。
個人的には、日本の消費税が8%に上がってからというもの、「もったいないかな・・・」「今あるもので何とか
しよう」などと思うことが増えて、買い物にブレーキがかかるようになりました。10%に上がったら、なおさら
そうなるでしょう。

それでも消費税というのは、その名のとおり、私たちがお金を「使う部分」に対してかかってくる税金であり、
お給料からダイレクトに掴み取っていく所得税を引き上げられるよりは、まだマシだということです。
これに関しては日本のマイルドさが国民へのメリットになっている感じですかね。

■income tax(所得税)
■taxable income(課税所得)

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