Kind Regards。

英国ネタをこつこつ載せてまいります。

政治・経済

そういえば9月23日、日本は「秋分の日」でお休みでした。
昼と夜の時間が同じになることを英語で「equinox」というらしく、秋分の日は「autumn
equinox」、春分の日なら「spring equinox」となります。
1年前も誰かに聞いた気がしますが、なかなか覚えられません・・・。

イギリスはとにかく祝日(national holiday)が少なく、なぜ日本では「海の日」とか「山の日」
とか「敬老の日」などがお休みになるのかと、あらためて聞かれると説明に苦労しますね。


さて、国会の議席で多数派となった党のトップが首相になり、その首相は、自分の右腕、
左腕になって働いてくれる閣僚(Cabinet ministers)たちを指名し、内閣を作り上げます。
最近日本でも安倍内閣改造などと出ていました。まさにああいう人事をやるわけです。

一方、野党サイドが国会の中で与党にモノ申していくのはどこの国でも同じですが、イギリス
ではこれをもっと組織的にやります。
具体的に言うと、野党が「影の内閣」(Shadow Cabinet)というものを作るのです。

「影の・・・」と言うと、なんか地下で密談を交わし、暗躍する人たちのように聞こえますが、
そうではありません。これはちゃんとした役職、肩書きであり、メディアに登場する時にも
「Shadow minister ●●MP」のような感じで紹介がされます。

それぞれの分野を専門に見れる人間を立てて、与党が作り上げた内閣に対抗させる形
をとることで、より中身のある議論が可能になりますし、与党から政権を取り返した暁には、
既に「影で」組閣したメンバーがそのまま就任すればよいので、流れを損ないません。
そういう意味ではまあまあ合理的なシステムと言えるでしょう。

テレビで観たことがある方も多いと思いますが、イギリスの国会中継を見ると、やたら狭い
ところに人がひしめきあっていて、こっちまで息苦しくなってきます。

国会で、与野党双方の閣僚たちは前の方に座っているので、「frontbencher」(フロント
ベンチャー)。
また、その他大勢のMPは後ろの方に座っているので、「backbencher」(バックベンチャー)
と呼ばれることがあります。

■Cabinet(内閣)、Cabinet minister(閣僚、大臣)

ここ最近のスコットランド独立投票の報道で、キャメロン首相の姿は日本のテレビでも
よく映されていたのではないでしょうか。
見た目も威風堂々とした人で、演説も上手です。

経歴をみますと・・・
2005年、39歳で保守党リーダーに。
2010年、総選挙で勝利し、43歳で首相に。
2014年9月現在47歳であり、まだまだフレッシュな感じがしますよね。

首相だけではありません。
副首相の「ニック・クレッグ」(Nick Clegg)が、1967年生まれの47歳。
労働党リーダーの「エド・ミリバンド」(Ed Miliband)が、1969年生まれの44歳。

ついこの前、安倍首相が60歳の還暦をお祝いしたとニュースになっていましたから、
いかにイギリス政界のリーダー達が若々しいかがわかります。
もちろんこれは、選挙を強く意識して、イメージを作れる人物を巧みに選んでいるという
理由もありますが、人材の方もちゃんと出てきます。


ところで、前の写真にあったウェストミンスター宮殿の周りは、お役所が集まる「霞が関」
のようなエリア。
ロンドン観光をするときのお決まりルートの一つなのですが、ビッグベンと国会を見た後、
「Whitehall」という大通りを北上していくと、左手に黒い門が見えてきます。

そこは「Downing Street」の入口。通称「Number 10」(ナンバーテン)と呼ばれる、首相
公邸につながっているのです。
IMG_00062

※またなんとも言えない感じの写真ですが、ちょこっと見えているのがセキュリティの黒い門です。


「ナンバーテン」というのは、「10 Downing Street」というアドレスからのネーミングで、公邸の
黒いドアにも実際に「10」と表示されています。首相の住まいであり、オフィスであり、ゲストを
もてなす場所ですね。

昔はオープンで誰でも近づけたらしいのですが、テロの脅威があってから、このような門が
作られ、警備も厳しくなりました。だから観光といっても、通りすがりに雰囲気のカケラを
味わうといった感じです。

■official residence of the Prime Minister(首相公邸)

前回、「House of Commons」(日本でいうところの衆議院)のMPが、総選挙(general election)
によって選ばれるとご紹介しました。

このMPたちは、どこかの政党に所属しています。

イギリスの二大政党と言えば、「保守党」(Conservative)と「労働党」(Labour)。
何となく名前からも想像できるとおり、まあ「右」と「左」です。
保守党は「トーリー」(Tory)とも呼ばれますね。

2010年の総選挙では、保守党が一番多くの議席を獲得。
当時ブラウン首相率いる労働党から政権を取り返したものの、過半数を占めるまでには至りません
でした。(ブラウンさんは、今回スコットランド独立反対のキャンペーンで活躍されてましたね)
仕方がないので、「自由民主党」(Liberal Democrat、略してLib Dem)という第3の党と連立を組むこと
によって与党となったのです。

これは「ねじれ」ではなくて、一つの党でマジョリティになれない「宙ぶらりん国会」ですから、英語で表現
するなら「Hung parliament」です。

この連立与党のうち、保守党のリーダーである「デイビッド・キャメロン」(David Cameron)が首相を、
自由民主党のリーダーである「ニック・クレッグ」が副首相を務めています。副首相といっても、その影は
お世辞にも濃いとは言えませんが・・・。

「首相」は英語で「Prime Minister」、略して「PM」です。
だから安倍首相も、英字新聞では「PM Abe」などと載っています。

イギリスでは、選挙カーで走り回って、マイクで名前を連呼するようなことはせず、演説中心の活動なので、
そのあたりは日本よりオトナな感じですかね。

■coalition(連立)、coalition government(連立政権)
■hung parliament(宙ぶらりん国会)、twisted parliament(ねじれ国会)




前回の写真にうまく入っていませんが、ウェストミンスター宮殿の手前はあのテムズ川
(the River Thames)が流れています。

テムズといえば、「Dynamo」という名前で活躍しているイギリスのマジシャンが、この川の
上を歩くパフォーマンスをやっていたのを思い出しました。
(You Tubeで、「Thames walking」などと検索すれば見れます)
国会を横目にして、綱渡りをするように川を歩く男の姿はシュールそのもの・・・。
あれはどうやってたんでしょうね??

さて、イギリスの国会議員のことを英語で、「Member of Parliament」といいます。
略して「MP」。

選挙のシステムは日本よりもシンプルで、イギリス全土を650のエリアに区切り、各選挙区
から一人のMPが選ばれます。いわゆる小選挙区制というやつですね。
(日本の比例代表にウンザリした時は、こっちの方がいいんじゃないかと思ってしまいますが)

二院制であるところはもちろん同じ。
House of Commons」が衆議院(下院)、「House of Lords」が参議院(上院)にあたり、
下院が暴走しないように、上院がニラミをきかせるわけです。

日本と違うのは、国民の選挙で選ばれるのが、「House of Commons」のメンバーだけである
というところです。その分「House of Lords」の力というのはそこまで強くはありません。

日本では衆議院選挙のことを指して「総選挙」といいますが、イギリスではそもそも「参議院選挙」
にあたるものが無く、「総選挙」=「House of CommonsのMPを選ぶ選挙」となります。

議員はどこかの政党(party)に所属していて、過半数の議席を取った政党が与党になり、
その与党のトップが首相になるところは、日本と同じですね。

■MP(国会議員)
■House of Commons(下院)、House of Lords(上院) ※イギリスでの呼び方
■constituency(選挙区)
■party, political party(政党)




スコットランドの住民投票も終わり、イギリスもとりあえず内側の火種が一つ片付いたという感じです。外を見ると、まだ頭は痛いでしょうが・・。
地区ごとの結果をみると、首都エジンバラ、アバディーンといった金融の街では、やはり反対派が差をつけて勝利していましたね。

パーセンテージで最も独立派が多かった(57.35%)のは、ダンディー(Dundee)というエリア。
ここは薬学、ライフサイエンス産業が世界的にも有名だと聞いたことがありますが、UK政府から研究の補助金も出ているはずです。なぜYes派がここまで強かったのか、これはちょっとよくわかりませんね。

そして、今回投票率が最も低かったエリアは、グラスゴーとダンディー。どちらもYes派が勝利した地区です。このあたりは平日実施が影響したのでしょうか??
また年金資産の将来に不安を感じてか、平均年齢の高いエリアほど保守的だっというデータも出ていましたね。


さて、スコットランドのトピックスの流れで、少しイギリスの政治のキホンについて、ご紹介できればと思います。

イギリスの政治のシステムは日本とよく似ています。
議員内閣制」というとカタイ言葉ですが、要は国会議員(与党)の中から内閣のメンバーを選ぶ仕組みです。これは日本と同じですね。
ルールを作る側(国会)と運用する側(内閣)がそれなりに協調できるので、スピード面ではメリットがあると言えるでしょう。
アメリカはこれと違って、行政のトップである大統領を国民が直接選挙で選びます。国会との牽制が効くと言えば聞こえは良いですが、時には壁にもなり得るので、一長一短です。


既にご紹介したとおり、イギリスの国会議事堂は、ロンドンの中心部「ウェストミンスター」というところにあります。一度は何かで見たことがある風景ではないでしょうか?
IMG_0003


右側のクロックタワーがいわゆる「ビッグベン」で、隣の立派な建物が国会である「ウェストミンスター宮殿」です。ビッグベンは傾いているように見えますが、これ実際に少しずつ傾いているらしいのです。
(あと私の撮影の下手さもあります)

すみません、続きは次回で。

■Parliament(国会)、Westminster Palace(ウェストミンスター宮殿)
■tilt, lean(傾く)



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