Kind Regards。

英国ネタをこつこつ載せてまいります。

2015年04月

ヒースロー空港トピックスの続きです。

おそらくヒースローからロンドン市街への移動に、多くの人が選んでいるであろう、④の「地下鉄」。

これって本当に良い方法なのかを考えてみましょう。

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(ちょっと見にくいですが)上の案内板にもあるように、地下鉄のことをイギリスでは「Underground」(アンダーグラウンド)といいます。「Tube」(チューブ)という愛称でも呼ばれますね。

東京都心なんかの場合、JRと地下鉄の合わせ技で目的地まで行くことが多いですが、ロンドン市内の移動と言えば、主役はとにかく地下鉄
Overground」(オーバーグラウンド)とも呼ばれる地上の電車は、ロンドン郊外の町と中心部を一気につないでしまうエクスプレス的な存在であり、それぞれで役割分担がハッキリしているようなイメージです。


という事情があるので、自分が泊るホテルの最寄り駅をガイドブックなどでチェックしてみると、そこにはおそらく(ほぼ100%)地下鉄の駅が載っていることでしょう。
これが、多くの人がヒースローからの移動に地下鉄を選んでいる理由じゃないでしょうか。


(↓のようなマークが地下鉄の目印。目立つのでわかりやすいですね)

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確かに、ホテルの最寄駅までリーズナブルに連れて行ってくれるロンドン地下鉄。
一方で、地下鉄の最大のデメリットは、「荷物の持ち運び」でしょう。

ほとんどの人は大きなスーツケースを抱えているでしょうし、これをガラガラと引っ張っていくのは結構な仕事。「地下」ということは、乗り降りの際にはそれなりに上下移動もあるということです。


あと、ヒースロー空港とロンドン中心部をつないでいるのが、「Piccadilly Line」(ピカデリーライン)という路線で、これが結構ボロイです。

ただでさえカマボコ型で狭く感じるロンドンの地下鉄。
座席も狭いですし、地下鉄ですからスーツケース置き場などもありませんし、大きい荷物を脇に置いて座ろうと思ったら、必然的に端っこの席しかありません。

あとこの路線は途中の停車駅がやたらと多いのも特徴で、結局中心部まで行くのに1時間近くかかったりするので、決してスピーディーな方法でもありません。

例えば、下の「Holborn」という駅。(ロケーション的には「大英博物館」の近く)
仮にこのあたりにホテルを取ったとすると、ヒースロー空港から出発して、間に20駅ほども停まることになるわけです。


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百歩譲って、このピカデリーラインで目指す駅に直接行ける人はまだいいですが、乗り換えのある人はまた大変です。ただでさえ勝手のわからないところを、スーツケースでゴロゴロと・・・。途中、階段を登らないといけない時もあることでしょう。


「ヒースローから地下鉄で移動するのは安くて良い方法だ!」のように語られることが結構ありますが、私に言わせれば、地下鉄を使うメリットとして挙げられるのは、逆に安いことしかありません

節約最優先の人や、学生さんなど若い人たちやフットワークに自信ある人たちにはいいでしょう。けれど、少し出費はあってもストレスのない旅をしたいと考える人たちや、熟年旅行、新婚旅行、女性のひとり旅etc・・・といったシチュエーションで、この地下鉄をオススメする気にはならないですね。

しいて言うなら、車に比べれば時間が読みやすいというのはメリットかもしれません。
ただしそこはイギリスのスタンダード、信号やらなんやらで止まったりすることも多いので、時間どおりに着けるかどうかアヤシイと思っておいた方がいいです。


<地下鉄のメリット>
・コストは比較的安い (約6ポンド、1,000円ぐらい) ※ここでは細かな料金体系は省略。
・渋滞がない分、時間がまだ読みやすい。(でも色んな理由でよく止まるので、信頼もできない)

<地下鉄のデメリット>
・スーツケースの持ち運びに終始悩まされる。(乗り換え時、駅の階段、駅からホテルへの移動etc)
・停車駅(stops)が多く、意外に時間がかかる。 


ちなみに上のピカデリーラインで「Knightsbridge」(ナイツブリッジ)というのが、日本でも超有名な老舗デパート、「Harrods」(ハロッズ)の最寄り駅です。


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来月、2015年5月7日総選挙(general election)というビッグイベントを控えるイギリス。
既に(3月30日に)国会は解散(dissolution)してしまっているので、今イギリスの国会議員はゼロの状態です。


日本とイギリスの政治(politics)のしくみというのはよく似ていますから、もしイギリス人との会話の中で、選挙などの話題が出てきたとしても、わりと話は通じやすいんじゃないかと思います。

ということで、「こんな政治のコトバは英語でいったい何と言うのか??」を思いつくままに書いてみます。


まず一つのポイントとして、辞書を使って、きちんきちんと英語に訳すことがいつも良いとは限りません。
これは普段の生活の中で、「冷蔵庫」のことを「refrigerator」とは誰も言わないのと似ています。(「fridge」(フリッジ)と言いますよね)

例えば、日本の「衆議院」をオフィシャルな英語にすると、「House of Representatives」、「参議院」は「House of Councillors」などと公式ウェブサイトにも出ています。

でもそもそも外国人は日本のことなどよく知りませんから、これをそのままイギリス人に伝えたとしても、「?」と首をかしげる人もいることでしょう。

国によっても呼び方はバラバラですし、こういう時はもうちょっと一般的な単語である、「Lower House」(下院)、「Upper House」(上院)などというコトバを使った方が便利。実際にイギリスのメディアも日本の記事を書くときにはそのようにしていることが多いです。
ちなみにイギリスの下院は「House of Commons」、上院は「House of Lords」であり、今回選挙をやろうとしているのは、「House of Commons」の方です。(アメリカは「House of Representatives」と「Senate」)


あと、「国会議員」を英語にすると、「Member of Parliament」。
これもまともに言うと長いので「MP」と略されることが多いです。いつだったか「衆議院議員は英語で何と言うのかね?」とエライ人に突然聞かれて焦ったことがありますが、「member of the Lower House」と言えば十分でしょう。

で、この「MP」をひっくりかえして「PM」にすれば「Prime Minister」、つまり首相の意味になります。安倍首相なら「PM Abe」でいいわけですね。


政党(party)はどうでしょう?

この5年間、イギリスは、「保守党」(Conservatives)と「自由民主党」(Lib Dems)の連立政権でやってきました。
最大野党が「労働党」(Labour)。あと、「補欠選挙」のシリーズでもご紹介してきたように、これまで勢いを急速に伸ばしてきた「イギリス独立党」(UKIP)の名前も知っておくと便利です。

今回の選挙も混戦が予想されているため、またしても一つの党が過半数(majority)を取れない「宙ぶらりん国会」(Hung parliament)になってしまうかもしれません。


日本の政党の名前まで外国人に伝える機会というのはあんまりないですが、一応ご紹介すると以下のとおり。

自民党:「LDP」(Liberal Democratic Party)
民主党:「DPJ」 (Democratic Party of Japan)

共産党はそのまま「Japan Communist party」。
公明党などは直訳するとおかしなことになるので、そのまま「Komeito」にしています。ただ、これでは意味がわからないということで、海外メディアの記事の中では、もう一歩踏み込んで「Buddhist-backed Komeito」 と書かれることも。
維新の党は「Japan Restration party」、そして今は無き、みんなの党は「Your Party」でした。

・・・こうしてみると、やっぱりいくらオフィシャルの英語でも、そのまま使ってしまうと通じないものが多いですね。


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