おそらくヒースローからロンドン市街への移動に、多くの人が選んでいるであろう、④の「地下鉄」。
これって本当に良い方法なのかを考えてみましょう。
(ちょっと見にくいですが)上の案内板にもあるように、地下鉄のことをイギリスでは「Underground」(アンダーグラウンド)といいます。「Tube」(チューブ)という愛称でも呼ばれますね。
東京都心なんかの場合、JRと地下鉄の合わせ技で目的地まで行くことが多いですが、ロンドン市内の移動と言えば、主役はとにかく地下鉄。
「Overground」(オーバーグラウンド)とも呼ばれる地上の電車は、ロンドン郊外の町と中心部を一気につないでしまうエクスプレス的な存在であり、それぞれで役割分担がハッキリしているようなイメージです。
という事情があるので、自分が泊るホテルの最寄り駅をガイドブックなどでチェックしてみると、そこにはおそらく(ほぼ100%)地下鉄の駅が載っていることでしょう。
これが、多くの人がヒースローからの移動に地下鉄を選んでいる理由じゃないでしょうか。
(↓のようなマークが地下鉄の目印。目立つのでわかりやすいですね)
確かに、ホテルの最寄駅までリーズナブルに連れて行ってくれるロンドン地下鉄。
一方で、地下鉄の最大のデメリットは、「荷物の持ち運び」でしょう。
ほとんどの人は大きなスーツケースを抱えているでしょうし、これをガラガラと引っ張っていくのは結構な仕事。「地下」ということは、乗り降りの際にはそれなりに上下移動もあるということです。
あと、ヒースロー空港とロンドン中心部をつないでいるのが、「Piccadilly Line」(ピカデリーライン)という路線で、これが結構ボロイです。
ただでさえカマボコ型で狭く感じるロンドンの地下鉄。
座席も狭いですし、地下鉄ですからスーツケース置き場などもありませんし、大きい荷物を脇に置いて座ろうと思ったら、必然的に端っこの席しかありません。
あとこの路線は途中の停車駅がやたらと多いのも特徴で、結局中心部まで行くのに1時間近くかかったりするので、決してスピーディーな方法でもありません。
例えば、下の「Holborn」という駅。(ロケーション的には「大英博物館」の近く)
仮にこのあたりにホテルを取ったとすると、ヒースロー空港から出発して、間に20駅ほども停まることになるわけです。
百歩譲って、このピカデリーラインで目指す駅に直接行ける人はまだいいですが、乗り換えのある人はまた大変です。ただでさえ勝手のわからないところを、スーツケースでゴロゴロと・・・。途中、階段を登らないといけない時もあることでしょう。
「ヒースローから地下鉄で移動するのは安くて良い方法だ!」のように語られることが結構ありますが、私に言わせれば、地下鉄を使うメリットとして挙げられるのは、逆に安いことしかありません。
節約最優先の人や、学生さんなど若い人たちやフットワークに自信ある人たちにはいいでしょう。けれど、少し出費はあってもストレスのない旅をしたいと考える人たちや、熟年旅行、新婚旅行、女性のひとり旅etc・・・といったシチュエーションで、この地下鉄をオススメする気にはならないですね。
しいて言うなら、車に比べれば時間が読みやすいというのはメリットかもしれません。
ただしそこはイギリスのスタンダード、信号やらなんやらで止まったりすることも多いので、時間どおりに着けるかどうかアヤシイと思っておいた方がいいです。
<地下鉄のメリット>
・コストは比較的安い (約6ポンド、1,000円ぐらい) ※ここでは細かな料金体系は省略。
・渋滞がない分、時間がまだ読みやすい。(でも色んな理由でよく止まるので、信頼もできない)
<地下鉄のデメリット>
・スーツケースの持ち運びに終始悩まされる。(乗り換え時、駅の階段、駅からホテルへの移動etc)
・停車駅(stops)が多く、意外に時間がかかる。
ちなみに上のピカデリーラインで「Knightsbridge」(ナイツブリッジ)というのが、日本でも超有名な老舗デパート、「Harrods」(ハロッズ)の最寄り駅です。