Kind Regards。

英国ネタをこつこつ載せてまいります。

2015年02月

今の時代、中学・高校の段階で、修学旅行(school excursion)や研修旅行として、海外に行くプログラムを持っている学校が結構あります。私が通っていた学校も何年も前に取り入れたようで、自分の時にこれに行っていたら、後々もっと楽だったんじゃないだろうか・・・と思わずにはいられません。

当時の行き先は確か北海道で、親に頼まれたウニと毛ガニを買ってきたこと(自分は食べてない)と、摩周湖のボヤーっとした白い霧(それ以外は何も見えず)と、じゃがバター(紙コップ入り)しか記憶になく、今にして思えばあの旅行はいったい何だったのか、という感じです。

それならば少々高くついても、カルチャーショックをガツンと受けるであろう海外に行ったほうが、お金で買えない価値があるのではないでしょうかね。


一番良いのは、現地に行って言葉に苦労すると、「これはヤバイ・・・。英語をもっとやらないと!」という大きなモチベーションになってくれることです。

試験の英語などは、わからなければもう一度前に戻って読みなおせばいいですし、リスニングだって少々間違えても点が取れないだけの話です。

ところが生身の人間を前にしていると、自分も何かリアクションしないといけないわけで「待ったなし」ですし、大事なところで聞けないと、わが身にダイレクトに跳ね返ってきます。英語を読んだり、憶えたりする時とは、脳のちょっと違う部分を使っている感じもわかります。
そしてこれがわかれば、文法の教科書や単語帳にかじりつく勉強方法から抜け出さないといけないことにも、早い段階で気付くはずです。(かといって、「聞き流し」でいいとは全く思いませんが・・・。そんなのでペラペラになるなら誰も苦労しません。)

あと、学校が連れて行ってくれるというのも安心です。
一回誰かと一緒に行っておくと、そのあとで自分で海外に出ようと思った時に、フットワークが全然違うと思いますからね。


基本的にイギリスというのは、アメリカや他のヨーロッパの国に比べれば治安は良いので、あまり心配することはないと思いますが、パッと頭に浮かんだ注意点だけ挙げてみたいと思います。


ありきたりながら、まず、車には気をつけましょう。

イギリス人というのは、なぜか横断歩道(crossing)の信号をあまり守りません。何をそんなに急ぐ必要があるのか、結構ギリギリを攻めて、見ていてヒヤッとすることも・・・。あまりにも無視する人が多いので、きちんと待っている方が間違っているような気がしてくるぐらいです。

それに街中に行くと、あのでっかい二階建てのバスが歩道のすぐそばを走っていますから、コーナーなどで巻き込まれたりしないように、車道からは距離をとっておきましょう。


↓ これは観光用の二階建てバス。・・・このタイミングではさすがに信号を守っているようです。

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それから、ビッグ・ベンなどの観光地でウロウロしているパフォーマー。一緒に写真をとってやるなどと言ってきますが、サービスなどと思わずに、無視しときましょう。ああいうのは勝手にお金を要求してきますから。もちろん支払う必要などはありません。


細かなところでは、ロンドンの繁華街に立っている標識やら街灯やらのポール。
このポールに看板などがゴテゴテと括り付けられていることがあって、無防備に針金が飛び出ていたり、時には釘っぽいものまで露出していることもあって、あれは危ないです。しかも人の顔や首ぐらいの高さに・・・。
スマホでよそ見しながらとか、ふざけて押しあったりとか、やめましょう。


あとはスリ(pickpocketing)でしょうかね。
これをやられたという話はオトナの日本人からもよく聞きますし、日本でたまに見るような、お尻のポケットに長財布、なんていうのは「取ってください」と言っているようなものです。

いつだったかウェストミンスター寺院に行った時、一緒にいた人がデジカメをスラれた、ということがありました。
しかしここは入場料(entrance fee)だってきちんと支払う場所・・・、「入ってしまったら観光客しかいないだろう」という油断(carelessness)を利用するスリもいるということです。



ところで、日本でカフェに入った時、店内が混んでいると、店員さんに「お席を先にお取り下さい」と言われることがあります。そんなこと言われても・・・といつも思うのですが、「立ち飲みしたくなければ、何か自分のものをテーブルに置いておけ」と言いたいのでしょう。

これはちょっと海外では考えられないことであり、たとえイギリスであっても、普段のクセでやってはいけません。どうでもいい私物ならまだしも、バッグや貴重品(valuables)などを置いてしまうのはやっぱり危ないです。


学校のプログラムの中には、旅行だけでなく、提携しているイギリス郊外の学校に行って、英語を勉強したり、現地の生徒と交流したりというパターンもあったりするようです。ロンドンから離れれば、それはそれで自然豊かなイギリスの魅力が広がっていますし、行って損になることなど何もないと思いますね。


■横断歩道(crossing) しましまなので 「zebra crossing」とも。
■スリ(pickpocketing )、強盗(robbery)、万引き(shoplifting)
■貴重品(valuables)

いつだったか、イタリアからヒースローに向かう飛行機の中で、たまたま年配の日本人の女性と席が隣になったことがあります。

最初は一人で旅行されているのかと思いきや、どうも旦那さんとたまたま席が離れてしまったようで、
「旦那は後ろでイタリア人の若い娘と隣になれて楽しんでるようだから、私もいいのよ!」と、イタリア的で、開放的な発言が・・・。一体何をされるのかと思いましたが、心配をよそに、いろいろ普通のおしゃべりを楽しむことができました。

自分にとってはまだまだ先の話ではあるものの、リタイアして自由になってから海外を旅してまわるというのは、やっぱり楽しそうだなあ、とこの時思いましたね。
もちろん、そのためにはある程度経済的な余裕もないといけないので、なんとか頑張りたいところです。


ちなみに、私が子供の頃には海外旅行に行くという習慣などは全くなく、周りでもそんな話をほとんど聞いたことがなかったですね。海外というのは別世界のVIPな人たちが行くものだ、というイメージをずいぶん長い間持っていたような気がします。
今や年末やゴールデンウィークにもなると、大人のみならず、普段学校や塾でストレスを抱えた子供まで、「たまには羽休めを・・・」とテレビで堂々とコメントしていたりするわけですから、これは負けていられません。



さて、「イギリスの原風景を求めて・・・」などというと何かカッコイイですが、イギリスに着いてから、一番最初に私たちが目にするイギリスの風景はイヤでも空港です。

旅慣れた人は別として、海外は初めてという人だってそれなりにいるわけで、巨大なヒースロー空港に着いた時に、いったいどんな感じなのか?あらかじめ写真で見ておくと、安心かもしれません。


飛行機から降りると、黄色い表示板にしたがって「Arrivals」の方に向かって歩いていきます。

すると、この人だかりコーナーに突き当たることになるでしょう。これが以前の記事にも書いた、悪名高いイギリスのパスポート・コントロール。飛行機に預けた荷物を受け取る前にここを通過しないといけません。

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日本人は「All other passports」の方に進んでいき、ここでパスポートと記入済みの「入国カード」(immigration card)を提示し、入国審査を受けることになります。タイミングにもよると思いますが、30分待ちぐらいは全く珍しくありません。

出張などの場合は、勤めている会社の名前や、職種を聞かれたりすることはあるようです。
Who do you work for?」 これは勤め先を聞く時のお決まりの言い方で、知っておいて損はありません。

旅行の場合は別に突っ込まれることはないでしょう。ただ、知り合いや友人のイギリス人を訪ねてきたとか、余計なことを言うと、「ずっと滞在するかもしれない」という疑念を掻き立てることになるので、必要最小限に。



これが終われば、荷物のピックアップ。
普通に考えれば、この段階ではもうリラックスしていいはずなのですが、やはり稀に荷物の紛失(lost luggage)があるので、困りものです。
私の場合は、荷物が一向に出てこず、新年早々ここで1時間ぐらい待ちました・・・。

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そして、税関(customs)。
まるで信号のようですが、特に申告するものがなければ、緑の出口からそのまま出ていけばいいだけです。

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たまーに係員に引きとめられて、検査されている外国人を見かけたりします。あれは荷物を全部引っ張り出されるわけで、たまらないでしょうね。


税関ではありませんが、ヒースローの搭乗セキュリティチェックで、「マイナスイオン歯ブラシ」の金具で引っかかって、トータル手荷物検査を受けたことがあります。ただでさえ列で待たされて時間もないのに、「分解して」と言われて、これにはさすがにキレてやりました。
今考えれば、そんな気の利いた歯ブラシはイギリスにはありませんし、係員の判断はわりと正しかったのかもしれませんが・・・。

■ヒースロー空港(Heathrow airport)
■入国カード(immigration card)
■荷物の紛失、ロストラゲッジ(lost luggage)

前回の続きです。

グルメを楽しみにイギリスに来る人はあまりいないでしょうが、せっかくなら美味しくて、ちょっとでもイギリスらしい料理を食べたいと思うのが人情というもの。
そこで、前回出てきたような「Wagyuと比べてみるべく、ロンドンを訪れた時のディナーに、高級ステーキハウスなどはいかがでしょうか。

私も日本からの来客があった時、どこか一緒に食事に行くなら、このステーキハウスをプランに組み込もうとします。特別な時(special occasion)の「ごちそう」という感じがしていいですし、その割にはフレンチほど気取ってない雰囲気もリラックスできて◎。

イギリスの肉料理といえば、どうしても「ローストビーフ」(roast beef)のイメージが強いと思うのですが、どちらかと言うと、パブ(pub, イギリス版の居酒屋のこと)や家で食べるものという感覚があり、専門のレストランはほとんどありません。イギリス人が、「今日は何か良いものを食べに行こう!」という時のチョイスとなるのは、圧倒的にステーキの方でしょう。

なので、もしロンドンでお肉をしっかり食べたい気分であれば、もう割り切ってステーキに絞ってしまった方がいいと思いますね。


余談ですが、誰かがロンドンにやってきた時、「やっぱりイギリスは不味いものばっかりだね・・・」と思われて日本に帰られるのもイヤなので、一応こちらも頑張ります。
けれど、「イギリスの料理は美味しいってことがわかったよ!」というセリフを残されて帰られるのも、これはこれで釈然としません。「いや、本当は違うんだ!!」と叫びたくなりますし、成功の陰には多くの失敗だってあり、レストラン選びもけっこう気を遣うものなのです。



さて、そんな叫びはさておき、ロンドンにいくつもあるステーキ専門店の中でも、まず王道としてオススメできるのは「Hawksmoor」(ホークスムーア)というお店。値は張ります(円に換算すると余計に)が、美味しいです。


↓ いくつか支店がある中で、これは「ピカデリー・サーカス」という駅から歩いてすぐの「Air street店」。ロンドン市内の中でもアクセスしやすいので便利です。平日の夜でも結構混むので、予約してから行った方が良いでしょう。

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日本での「霜降り肉」(marbled meat)と違って、赤身のお肉を美味しく頂くのがイギリス流。赤身なので、口の中でとろける・・・とはいかないものの、その分お肉のフレーバーが口の中にしっかり残りますし、ワインと一緒に楽しむにはむしろこの方が良いのでしょう。私もここで、赤身の魅力というものに目覚めました。


それから、「Goodman」(グッドマン)。
ここも概ね好評ですが、お肉に関してはHawksmoorの方が一枚上手でしょうか。
そうは言いつつ、スモークサーモンやニシンなどシーフード系の前菜(starter)を頼むと、こちらの方が美味しく、本当に一長一短というところ。デパートの「Liberty」から近いところに店舗がありますね。


さらに、「Gaucho」(ガウチョ)という、アルゼンチン・ステーキのお店。
そう言われてもあまりピンとこないのですが、ブラジルに行った人が食事を全く褒めない一方、アルゼンチンはちょっと別格のようです。

ここもお客さんを連れていってもいいほど美味しかったのです。ただ、下味を十分につけるマリネートのお肉を頼んでしまったので、他との比較がしにくくなってしまいました。日本でもイギリスでもあまり見かけない、中南米のワインが揃っているので、お酒好きならそれだけも楽しめそうです。

中には白と黒の「牛柄インテリア」になっている店舗もあり、これはちょっとついていけません・・・。


あと、「Avenue」(アヴェニュー)。
ここはステーキハウスではなく、「Contemporary American」とか「New American」などというジャンルに入るお店なのですが、私はここのフィレステーキが一番美味しいと思いました。
最寄りの地下鉄駅は「Green park」、高級ホテルの「Ritz」や、デパートの「Fortnum &Mason」の近くにあります。

内装はかなりモダンで、バックでかかる音楽も大きく、ゆっくり大事な話をしながらというシチュエーションにはちょっと向かないかもしれないですが、料理で外すことはないでしょう。

↓ 黄色いフラッグが目印です。隣は「John Lobb」。

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これらのステーキレストランは、ロンドン中心部にかたまっていて、アクセスも良いです。
基本は予約してからの方がいいとは思いますが、そんなに人数が多くなければ飛び入りで入れることだって珍しくないでしょうし、その日の気分に合わせてもいいかもしれませんね。


ちなみに、ステーキハウスやフレンチのレストランに入ると、「Steak tartare」というのがメニューに載っていることがあります。
いかにもステーキとタルタルソースの組み合わせであるかのように思わせるのですが、これは生肉。
牛肉を細かく切って味付けし、玉ねぎやケッパーなどの薬味と合わせた、いわば西洋版ユッケのようなもので、日本人の口にもよく合います。ただ、「生はちょっと・・・」という人も多いでしょうから、注文する時には気をつけましょう。



日本でも「熟成肉」(aged meat)が流行っていると聞いたことがあります。本当に日本はいろんなものが流行りますね。
イギリスではレストランのみならず、スーパーでも真空パックにして売っているところもあって、もうちょっと身近な存在でしょうか。「30 day aged beef」などとラベルに書いてあり、すぐに見つけることができます。

ただ、「熟成」というと、何だかいかにも美味しそうで良い響きですが、当然これを作っている現場というのもあるわけで、風にさらされた肉の表面を覆っているだろうフワフワとしたカビなどを想像すると、ちょっとだけ食欲がセーブされるような気がします。


■前菜(starter)、メインは「main」で通じます。
■霜降り肉(marbled meat)、熟成肉(aged meat)

グルメ話の続きになります。

この手の番組は、意表を突いたところから日本を紹介してくるので、なかなか油断できません。

例えば、「日本人はもう本当にラーメンが好きで・・・・」などとナレーションが流れつつ、画面には、「博多らーめん」という缶と、「おでん」という缶が売られている不思議な自販機(vending machine)がさりげなくアップになったりします。しかもなぜか、あの懐かしいUCCのロング缶のコーヒーと一緒のマシンに。

日本でそんな自販機を見かけたことないですし、そんな缶を食べている人も見たことがありません。どこに売ってるんでしょうか??
百歩譲って、「缶おでん」ならまだわかりますが、「缶ラーメン」の場合、麺をそのまま温かいスープに入れていたら伸びそうですし、どういう仕組みになってるんですかね?
・・・ちょっと食べてみたいです。



さて、日本が誇る「和牛」は、イギリスでも知名度が高くなりつつあって、グルメに興味があるイギリス人にならWagyu」(ギュー)と言えば通じます。そして、この「Wagyu」を知っているぐらいの人であれば、Wagyuの中でも最高峰とされる「Kobe Beef」も知っているはずです。

今や日本には「○○牛」というブランドがたくさんありますし、どれを食べてもかなり美味しいので、日本人がそんなにチョイスにこだわることは逆に少ないんじゃないでしょうか。

けれど、外国人にとって「Wagyu」といえば、やはり「Kobe Beef」のネームバリューが他を圧倒しています。
本場・神戸の人に聞いてみても、ローカルのステーキレストランに外国人を連れて行くとやっぱりものすごく喜ばれるよと言っていましたね。(ま、神戸牛のステーキなら、外国人に限らず、誰を連れて行っても喜ばれると思いますが・・・)

ちなみに私は今まで一度しか食べたことがなく、しかもかなりの大昔。
神戸への家族旅行だったのですが、親との会話は何一つ憶えていないくせに、神戸の本屋さんで立ち読みして「この店に行こう!」と決めたことと、その店の神戸牛ステーキのショッキングな美味しさだけはきちんと記憶に残っているので、我ながら現金な子供だったと思います。(ちなみにガーリック・チップを生まれて初めて目にしたのもこの時でした)

2年ほどたまたま食べなかった吉野家の牛丼でさえも、頭の中で美化されて、ごちそうに思えたぐらいですから、20年以上前の思い出などは何をかいわんや。もう美化どころか、「神戸牛のステーキ」というのは、どこか違う次元へと昇っていった仙人のような存在に・・・。そんな経験から考えると、他のブランド牛肉も十分美味しいのはわかっているんだけど、「Kobe beef」だけは特別な存在だよね、と思っている日本人も結構いるかもしれませんね。



番組中のグルメなイギリス人二人が、このKobe beefを取材しないはずがありません。
わざわざ現地まで出向いて、農家にインタビューし、やわらかい(tender)肉をつくる秘訣を探ります。

「毎日ワラのベッドで牛をマッサージしているってホントですか?」
「オペラを聞かせて育てるってホントですか?」
「ビールを飲ませて育てる(fed beer)ってホントですか?」


別に彼らは冗談で聞いているわけではなく、いたって本気です。
神戸牛がプリンスのような生活をしているというのは、同僚のイギリス人も同じようなことを言っていましたし、私の知識も似たようなもの。彼らのことを決して笑えません。


ここで取材された農家のコメントによると、現実は以下の通り。現実はとても現実的なのだと知りました・・・。

「マッサージはしていないが、特別な牛にグルーミング(grooming)ならしている。」
「オペラは一度実験してみたことがあるが、お肉の質に変化はなかったのでやめた。」
「ビールはもうどこの農家もやっていない。」
(ただし、餌のレシピにはやはり秘密があるようです)


実は、「神戸牛にビールを飲ませる」という話は私もずっと信じていたのですが、確かに人間がビールを飲むだけでもお金がかかるのに、何十頭、何百頭もの牛が毎日ビールを飲んだら、大変なコストになってしまうでしょう。

こういうのを見ると、果物にモーツアルトを聞かせるとか、昔テレビでやっていた話も本当なのか?と今になって疑いたくなってきます。もう10年以上前、確かに「α波効果」というのが流行ったことがあり、流行の終わりかけになって、私も思わず一枚千円のワゴンセールでCDを買ったことがありました。(あれも何処へ行ったのか?)
最近はあんまりこの話題も聞かないですね。


牛ではありませんが、「Corn fed chicken」(コーンで育てたチキン)というのがイギリスのスーパーで売られていたりします。私は結構好きで、たまに買ったりするんですよね。

不思議なもので、「神戸牛はビールを飲んで育つんだ」と信じ込んでいると、何となくそれだけでステーキの美味しさを引き立ててくれそうに感じます。ビール分だけ美味しいみたいな。

それと同じで、「この鳥はとうもろこしを食べてたのね。見た目もちょっと黄色いし。」と思っただけで、少しだけ(とうもろこし分だけ)美味しく感じているという、完全にイメージの世界なのかもしれません・・・。


■自販機(vending machine)
■和牛(Japanese beef, Wagyu) ※中には「Wagyu beef」という人も。「チゲ鍋」と同じようなものですね。

前回のギリシャ話からの続きです。

人々の暮らしの格差をちょっとだけ垣間見たアテネ。

日本ではあまり注目されていなかったかもしれませんが、先月このギリシャで総選挙(general election)が実施されました。

ここ数年のギリギリとした緊縮財政(austerity)で民間の暮らしが圧迫されていると、ついに国民の不満が爆発。「Syriza」という急進左派の政党が勝利し、ヨーロッパにしてみれば、また心配の種が一つ増えたといったところでしょうか。

スコットランド独立投票の時に、「仮に彼らが独立しても、神奈川や埼玉と同じぐらいの経済規模」と書いたことがありますが、ギリシャもまさに同じぐらいでしょう。2010年のギリシャ(財政)危機と同じで、ギリシャそのものがどうこうと言うよりも、この火種が政治的&経済的に、欧州に「広がっていくこと」が心配されています。


↓ 小じんまりとしたギリシャの国会

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そして総選挙といえば、ちょうど去年12月に日本で起きたばかりのイベントです。
いつものことですが、任期満了を待たずして起こった解散総選挙なので、英語では「snap election」という見出しが躍ってました。

ただ、当の日本人でさえ「なぜ今なのか」「お金かけてまでやらないといけないのか」と思っていたぐらいですから、遠く離れたイギリスではなおさら関心は薄かったようです。
よっぽど仕事の関係で日本をよく見ているイギリス人以外は、バックグラウンドで何があったのか把握している人などほとんどいないという感じでしょう。


「国会を解散する」 これを英語にすると 「dissolve the parlialment」。

日本のニュースをネットで眺めていると、「民意を問う」とか「国民に信を問う」とか、政治の世界にありがちな、コテコテの日本語が並んでいました。こういう時英語ではどんな言い方をするのか?と、ふと気になって新聞をチェックしてみると、「go to the people」とか「go to the polls」などとさすがにスッキリしたシンプルな表現をするものです。

これは勉強になるなあ・・・と思っていると、「伝家の宝刀」とか「大義なき解散」とか続々と出てくるので、もうキリがありません。言い回しがいちいち大げさで、脂っこいのです。

本来、国会のしくみやら、首相が持っている権限やらは、一応子どもの頃に教わることですが、こういうunclearな言葉や無意味にわかりにくい世界が私たちの興味を遠ざけている気がしてなりません。


これまで、日本とイギリスの政治はよく似ていると、「イギリスの政治のしくみ」シリーズでご紹介してきましたが、この「解散権」についても同じです。
首相がここぞと思うタイミングで国会(下院)を解散して、総選挙に討って出るというのはイギリスでも過去に行われてきたこと。

ただし、イギリスの場合は、2011年に「Fixed Term Parliament Act」という法律が制定され、5年毎に総選挙を実施することを定めました。
つまり、原則は解散不可に。一度政権を取れば、5年間は安定してリーダーシップを取れるというわけで、逆にいえば、日本のようにコロコロ解散ということもできない「縛り」にもなっています。今保守党と連立を組んでいる自由民主党(Lib Dem)のような小政党には有利な制度でしょうか。

そういうわけで、イギリスの次回の総選挙は、2015年5月7日と今からちゃんと日取りが決まっているのです。



どちらかというとイギリスの方が、常会話の中で政治(politics)のトピックスが出てくる確率は高いです。
だからといって小難しいことを議論するわけでもありませんし、知らなくても別に困らないのですが、特に駐在や留学でイギリスに行かれる方は、こういう政治的な話題、日本と似ている点や違う点を知っておくと、話の幅が広がって、決して損はないと思います。(書籍の方では深入りしないようにしたので、このブログで補足しています)



次回のイギリス総選挙では、「UKIP」(イギリス独立党)というポピュラリスト系の政党が票を伸ばすであろうことは明らかに見えますが、どうなるでしょうね。

これは去年のスコットランドの独立投票と少し重なります。
愛国心からなのか、思いのほか独立派が最後まで健闘しましたが、その後、当てにしていた原油の値段はとんでもないペースで下がってきており、今にしてみれば、独立せずに本当に良かったというのが正直なところでしょう。

イギリスがEUを脱退して独り身になることがいかにリスキーなのか、経済面から国民、企業のfearを揺り起こすことも保守党の一つの戦略になりそうな気がします。


・・・ところで、日本の経費スキャンダルって一体どこへ行ったんでしょうね?
ほんの小さい改革をするのにも異常に時間のかかる国であり、いくらインフラやサービスが良くても、本当に先進国なのかと思う時があります。


■解散する(dissolve)、解散(disolution)
■緊縮財政(austerity)

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