「待つ」という行為が人生の一部を占めている・・・、イギリスはそれをちゃんと実感できる国です。

空港に着いて、日本人が一番最初に洗礼を受ける、あの悪名高い入国審査もそうです。
大して理由もなく一人一人にやたらと時間をかけますし、ゲートの前にできる行列(queue)がどれだけ長くなっても、係員が応援に駆け付けるということもしませんから、ちっともサバけません。


ラッシュ時の車の渋滞(traffic jam)も結構ひどいですし、よく引き合いに出されるバスや電車もそうです。ちょっとした遅れなどはもはや当たり前ですし、「接続」という言葉などあってないようなもの。


バス停には「10分おき」(every 10 minutes)などと表示しているくせに、運が悪いと10分待っても、20分待っても来ないことがあり、「いい加減にしろ!」と思った頃に、立て続けに2台やって来たりします。

ちなみにこの場合、バス停で待っていた人たちは「やれやれ」と先に来たバスに乗るため、前のバスだけやたらと混み始めます。後ろのバスは空き空きになるのですが、前のバスとなるべく距離を開けようと停止しまくるので、乗ってからも延々と待たされる羽目に・・・。
待たされた上、どっちに乗ってもストレスが待っているという最悪のサービスです。

確か日本で、市バスの運転手が勤務中にやむを得ず一時停車して公園のトイレに駆け込んだ、というのを地方紙が記事にしていたことがありましたが、別に乗客も誰ひとり不満は言っていないのに、わざわざそんなことを取り上げるなという感じですね。サービスが悪いのはいやですが、行き過ぎた「お客至上主義」もどうかと思います。



「待つ」ということで言えば、1年前、日本で新年早々、立ち往生を食らったのを思い出しました。
その時は有楽町のパチンコ店で火災があったとかで、東海道新幹線が全て止められたのです。それもお正月休みUターンラッシュのピークにですから、1年の中でも最悪のタイミングだったと言っていいでしょう。

有楽町というのは、東京駅から山手線でたったひと駅。歩いてもすぐなのです。
現場がそんなロケーションにありながら、出発駅、目的地などに関係なく、全ての新幹線が運転見送りとなったので、これはショックでしたね。信頼していた日本でもこんなことがあるのかと。

指定席を取っていたのに「無かったこと」にされてしまい、問答無用で払い戻し(refund)。みどりの窓口はその払い戻しを受けるだけで長蛇の列ができていました。私の後ろからは、ディズニーランドを諦めたらしい家族の会話が聞こえてきたり・・・。

状況もよくわからないまま、ようやく昼過ぎから徐行運転を始めた新幹線の自由席に飛び乗ってみると、今度は前がつかえて動きません。待ち時間も含めて、結局半日がかりで東京まで移動したのを覚えています。
12時間あれば、日本からイギリスまで移動できますね。


この時思ったのは、「わからないストレス」というのは結構大きいということです。

なぜ有楽町の火災で全部を止めてしまうのか?
あとになってから、消火活動も手間取り、さらには品川駅は折り返し運転ができる構造になっていないなどの情報を知りましたが、駅で待っている時には、いつまで経っても「消火活動が続いております」「情報を待っております」の繰り返し。何が起きているのか、いつまで待てば目処がつくのかも、さっぱりわからなかったのです。

同じ「待つ」のでも、イギリスの入国審査などは、一応自分の目で状況確認ができます。
「あいつらがスローペースなのがダメなんだ」とか「係員が少なすぎる」とか愚痴だって言えますし、何にも見えないところで「ただひたすら待たされる」というよりはまだマシでしょう。

ある程度待たされることも予測できますし、「何もせず待っているのが耐えられない!」という方は、携帯でも、ゲームでも、文庫本でも、何か時間のつぶせるものを用意しておくと良いかもしれません。


■行列(queue)
■渋滞(traffic jam)
■立ち往生する(be stranded)