為替レートの続きです。
マーケットで決まる為替レートとは別に、イギリスでの実生活の上では「1ポンド=100円」の感覚、と書きましたが、多分これは、アメリカでもカナダでもオーストラリアでも、かなりの国に当てはまるのではないかと思います。
先進国であれば、「ワンコイン」で買えるモノというのは大体同じでしょうし、お札にしたって1枚出して買えるモノはそんなに変わらないでしょう。為替など考えなければ、単に自分の国の通貨で、自分の国のモノを買うわけですから、「1ポンドと100円」、「10ポンドと1,000円」のように、キリの良い金額の外貨の価値が同じだと感じるのは、ごく当たり前なことなのかもしれません。
ま、あくまで感覚の世界ですが・・・。
ところで、為替レートと言えば、「ビックマック指数」(Big Mac index)というのを思い出します。
これは何かというと、為替レートが(長い目で見て)どのレベルに落ち着くか、目安になるとされる指標の一つ。
(「Economist」誌考案ということで、イギリス生まれと言えるでしょう)
ビックマックのように世界共通のモノなら、どこの国で売られていても価値は同じはずであって、ここからあるべき為替レートが計算できる、という考え方がベースになっています。
例えば、ビッグマックがアメリカで3ドル、日本で300円で売られていたら、この指数は「1ドル=100円」。
もしこの時、マーケットのレートが1ドル=120円だったら、「今はちょっとドルが割高なんじゃないか」と言える(かもしれない)、ということですね。
この理論の賛否(pros and cons)はさておき、値段を比べてみるのは面白いものです。
この前久々に食べたビッグマック。単品で2.89ポンドでした。
日本の価格をさっと調べてみると、360円?でしょうか。 とすると、「1ポンド=125円」ぐらい。
実際の今時点のレートは、1ポンド=185円台レベルですから、かなりギャップが開いていることになります。
一方、生活感覚レートである、1ポンド=100円にはやや近し。
また、お店にあったメニュー表をチラッと見ると、確かフィレオフィッシュも同じく2.89ポンドだったと思います。
日本だと270円?でしょうか。これなら「1ポンド=93円」ぐらいと、さらに現実から遠ざかります。
日本の方が割安なのは、コストの問題なのか、人気の問題なのか・・・?
好みの分かれるフォレオフィッシュで比べてはいけないということでしょうか。
しかし今になって気付きましたが、日本もイギリスも、マクドナルドってウェブサイトでメニューの値段を表示してないんですね。
日本のサイトで調べていたら、もともとは「都道府県別に6段階」に分けていた価格体系を見直して、去年の9月から「立地によって9段階」へと細分化を始めた、というような記事を見つけました。
(それまで6段階に分かれていたことすら知りませんでしたが・・・。)
「立地によって」というのは、集客が常に見込める一等地では高くし、郊外では低くするということらしいです。
ビッグマックを例にとると、それまでの290~340円の価格レンジが、以降は310~390円のレンジとなり、幅を持たせつつ、全体でも確実に値上がっている感じでしょうか。
価格戦略(pricing strategies)と言えば聞こえはいいですが、「モノは同じなのに場所代を上乗せする高い店舗がある」というイメージしか湧きません。これは新幹線の中のサンドイッチや、ホテルの中の缶ビールに近い感覚ですかね。
別にいいのですが、たまにしか食べないという人は、お店によって10円、20円の違いがあることには気付かないでしょうし、何より「値上げ」とハッキリ言わないあたりが、なんかズルく思えます。
ちょっと前には鶏肉の事件もありましたし、確かその前には「60秒サービス」といって、制限時間内に商品を出さなければ無料券を進呈!というのを始めたときにはびっくりしましたね。現場で働く従業員が気の毒としか言いようがありません。
なんか話が逸れましたが、とりあえず「ビッグマック指数」で為替レートを占うのは無理がありそうです。
■ビックマック指数(Big mac index)
■賛否(pros and cons)