今イギリスで注目したいものの一つは、「為替」(foreign exchange)ではないでしょうか。

多分日本のニュースでは「ドル円」レートばかりが報道されるのでしょうが、ポンド円の方も当然動いていて、先週は189円台にまで上がってきました。
まあ、ポンドが高くなっているというよりも、円が全面的に安くなっているといった感じです。

2、3年前はポンドが110円台、120円台という時もあったわけで、そこから比べるとかなりのギャップ。
イギリスでショッピングする時、まともに日本円に換算していると、多分サイフを開くことができません。


なにかしら具体的に挙げてみますと・・・

コンビニや駅のキオスクなどで水のペットボトルを買うと、大体1ポンドです。
お昼にサンドイッチとコーヒーを買うと、5~6ポンド。
マッサージを40分受けると、40ポンド。

こんな風に実生活の中で考えると、マーケットで決まる為替レートとはまったく別に、1ポンド=100円の感覚で使われていることに気付きます。
日本の「100円ショップ」ならぬ、何でも1ポンドで買えるという「pound shop」だってありますからね。

なので、「イギリスの物価は日本に比べてこんなに高い!!」などという紹介をされることがありますが、どちらの国が高いかというのは、本来単純には比較できないものです。


それに、「物価」とひとことでいっても、何が高くて何が安いか、その国によって結構違ったりするもの。
例えばイギリスでは、りんごの5個入り袋などが1ポンドで買えたり、あらゆる国のワインが5ポンドから10ポンドの価格レンジで幅広く選べたりするわけで、これは日本より断然安いと言えるでしょう。

交通機関(transport)にしてもそうで、よく引き合いに出されるロンドン地下鉄の運賃が割高である一方、タクシーはそうでもありません。
ちょうど昨日タクシーに乗る機会があって、10ポンド払ったのですが、初乗り運賃(minimum fare)は2.40ポンド。これも「1ポンド100円理論」で考えれば、意外に日本よりも気軽に利用できるということがわかります。

ただしこれは、イギリスでお給料をもらって、イギリスで生活する上ではリーズナブルだというだけの話。
日本からやってきて日本円をポンドに両替することを考えれば、10ポンドを買うのに2,000円近くも必要になるわけですから、あんまり気軽にタクシーを使うわけにもいきません。


けれど、イギリスで生活していたとしても、日本人は日本人。
どれだけ1ポンドは100円なんだと自分に言い聞かせたところで、頭の片隅では、「これって円に直したらゴハン3回分になるな・・・」とどうしても考えてしまうのが正直なところです。実際日本に帰って両替すれば、それだけの価値があるわけですからね。


これからクリスマスセールのシーズン。
ディスカウント幅が大きいだけでなく、値引かれるブランドも幅広いので、ショッピングが好きな方はこのシーズンにあえてイギリスを旅行するというのもアリだと思います。

でももし日本で同じ商品が売られていた場合・・・。
円に直してみたら、実はセールで買ったものが全然お買い得じゃなかった!ということにもなりかねませんから、この為替というのは本当にやっかいです。

■為替(foreign exchange, FX)、為替レート(foreign exchange rate, exchange rate)
■交通機関(transport)
■初乗り運賃(minimum fare)