住むだけのコストならば、今ロンドンが世界で一番高い都市。
そして、服とか食べ物とか、もっと広い種類の物価も含めたランキングでは、シンガポールが東京を抜いて、
1位に躍り出たという記事を以前ご紹介しました。


今回見つけたのは、「ビジネスをするのに最適な国ランキング」(エコノミスト誌の調査部門EIUによる)で、
前回1位(82ヵ国中)のシンガポールが再びトップに選ばれていました。
つまりこの調査の中においては、「Best place in the world to do business」ということになります。


ちなみにシンガポール以下は、
2位 スイス
3位 香港
4位 カナダ
5位 オーストラリア 

と続き、アメリカが7位、イギリスは22位
そして日本は27位と、韓国とチェコに挟まれているという微妙なポジション。

政治、マクロ経済、マーケット、インフラ、税金などなど色んなものがファクターとして考慮され、シンガポールは、
不正の少ないこと(curruption-free)、環境がクリーンなこと(pollution-free)、あと海外からの駐在者にとって
暮らしやすい点なども評価されていたみたいです。


例えば、法人税(corporation tax)の税率を調べてみると、シンガポールが17%、香港が16.5%と、日本から
見れば半分ぐらいと大きな開きが。(イギリスは2014年現在で21%

マーケットにしても、シンガポールそのものの魅力は大きくなくとも、成長率の高い他の東南アジアの国々へ
の「ハブ」(hub)になれることがポイントであって、これは日本もなかなか真似のしようがありません。

あと、ランキングのものさしに含まれているのかわかりませんが、シンガポールや香港が、英語圏の国である
ことも明らかに影響しているような気がします。

「言葉の壁」(language barrier)というのはどうしても避けられないもの。
日本に出張したイギリス人の話を聞いていても、電車の移動やホテルの滞在などは問題ないのですが、
ひとたび街に出ると英語表示は限られてしまうので、フラッとその辺のレストランに入ってみるとか、道をその
辺の人に尋ねてみるとか、思うように振る舞えないというのはやっぱりストレスになるようですね。
フラフラと街を歩き、黄色い看板に吸い寄せられて、「松屋」とかに入って、食券マシンのボタンを勘で押して
みたり、というアドベンチャーが生まれたりするわけです。(当たればいいですが・・・)


このランキングが低くても、それだけ自分の国の産業が成熟していて、投資をする側に立っているという見方
もできるでしょうから、悪いことだとは全く思いません。
気になるのは、「ドイツ並みを目指す!」などと意気込んで、貴重な財源であるはずの法人税を下げようとした
り、特にマーケットもないのに外資を呼び込もうとしてみたりという今の日本の政策でしょうか。シンガポール、
香港とはまた違う未来図を描かないといけないはずであり、減税とインフラ整備でお金だけ使って、外資は
誰も来なかったという中途半端なことにならなければいいのですがね。

■法人税(corporation tax)
■不正、汚職(curruption)
■言葉の壁(language barrier)