先月(2014年10月)に続いて、3つ目の補欠選挙が「Rochester and Strood」という選挙区(constituency)
で実施されました。地図で見てみると、ロンドンから南東に車で1時間というところでしょうか。


「補欠選挙」というのは、議員が何らかの理由で欠員になってしまった時に、そのまま空席にするわけにも
いかないので、誰か代わりを選ぶ選挙のこと。英語では「by-election」といいます。

ここの選挙区の議席が空席になってしまった理由は、以前にもご紹介した「defection」によるもの。
言ってしまえば議員による「党の鞍替え、裏切り」のことで、元々は保守党(Conservative)として選ばれて
いた国会議員(MP)だったのに、「UKIP」(イギリス独立党)という別の政党に寝返ったことで、「いざ再選挙!」
となったわけです。

※これまでの経緯はこちらへ。
補欠選挙(2) 「UKIP “650分の1”からのスタート」
補欠選挙 「"defection" 首相へのバースデープレゼント?」



気になる結果は・・・

UKIP                16,867  (42%)
Conservative   13,947  (35%)
Labour               6,713   (17%)
Green                1,692      (4%)
Lib Dem               349      (1%)
Others                   497     (1%)

と、UKIPの快勝
今回寝返ってUKIPとして再出馬した候補、「Mark Reckless」という人物が、また晴れてHouse of Commons
の国会議員となりました。


メンツにかけても死守したかった保守党はあえなく敗れ、
労働党(Labour)は今の劣勢をそのまま反映しての大敗、
自由民主党(Lib Dem)にいたってはボロボロ。(前回7,800の得票から、今回は349に激減)


UKIPにとっては、(先月に続けて)ウェストミンスターにおける二つ目の議席を獲得したことになります。
今回イギリスのメディアがやや大きめに取り上げているのは、その勝利の持つ意味がより重くなってきて
いるからでしょう。

今回の選挙区はイギリス全国の中においても、別に貧しいエリアというわけでもなく、保守党がある程度地盤
にできていた場所。つまり、来年の総選挙(general election)を占うという意味では、前回の補欠選に比べて、
よりバロメーター的な役割を持っていたと言えます。
いくら来年までの「つなぎ」議員とはいえ、今のUKIPの勢いを表すというか、今の政権へのNO、労働党への
NOの声がかなりハッキリと聞こえ始めたという感じでしょうか。


2015年5月に総選挙を控えるイギリス。補欠選挙が「練習」なら、総選挙は「本番」のようなものです。
国中がUKIPに支配される心配などは誰もしていないでしょうが、二大政党の大苦戦は誰の目にも明らか。

今のトレンドが続けば、もし彼らがまた第一党になれたとしても、過半数の議席までは確保できないという
「宙ぶらりん国会」(hung parliament)になる可能性がますます高くなっていると言えるでしょう。
しかも、自由民主党(Lib Dem)がこれほどの状態で大敗しているわけですから、2010年の時と違って、
今度は連立相手を見つけることもままならないかもしれないですね。

■離脱、背信(defection)
■宙ぶらりん国会(hung parliament)、ねじれ国会(twisted parliament)