APECでの日中首脳会談、これはイギリスのメディアにもしっかりと取り上げられていました。

安倍首相が声をかけるもそれには応えてもらえず、何とも言えない感じで握手している様子がテレビに新聞に・・・。それでも、経済力で世界No.2とNo.3のトップ同士がようやく協調する姿勢を見せ始めたということで、
(中身はどうあれ)やはり注目はされるものです。


以前の記事(※「財政問題 ジョージとボリスの中国ツアー」)でも少しご紹介したように、イギリスは中国からの投資(investment)を呼び込むために、あの手この手を尽くしています。

世界の金融センターとしての強みも発揮し、ここ数年は中国の通貨である「人民元」(renminbi)の取り扱い拡大に力を注いでいて、今年に入ってからは国債の人民元建て発行までやっていますし、今のイギリスは明らかに日本よりも中国の方を向いていると言えるでしょう。


ちなみに、ガイドブックにも載っているロンドンの「チャイナタウン」(Chinatown)。
これは意外に小さくて、普通にサカサカ歩くと、端から端まで5分もあれば見れてしまいます。
横浜の中華街のスケールとは比べものにならず、お店の種類も、レストランの味のレベルも全く違うので、あまり期待して行くとガッカリするかもしれません。
それでも「Chinese new year」という言葉など大抵のイギリス人が知っていますし、華やかなイベントとしてのイメージが定着。また最近再放送をやっているドラマ「シャーロック」のお話の中でも中国文化が登場したりと、着実にイギリスの中に根を下ろしているような気がします。


もう何年も前、「日本は世界第二位の経済大国」と学校で教わった時には、自分は何も貢献してなくとも、なんとなく誇らしい感じがしたのを覚えています。
しかし、中国の経済成長の勢いはすさまじく、2010年にはGDPでNo.2の座を譲り渡し、今では日本の2倍ほどにも膨れ上がり、もはや追いつけるレベルではありません。

「中国のGDPが膨らむのは人口のおかげだ!」「一人あたりGDPではまだまだ日本の方が上なんだ!」
と言う人たちもいますが、どうなんでしょうか。

確かに中国はまだまだ貧富の差も大きく、洗練された経済とは言い難く、環境的にも良くないですし、どちらの国に住みたいかと聞かれれば、やはり日本を選ぶでしょう。

しかし、人口というのはパワーの源。これからの伸びしろが中国側には大いに残されているわけですから、「国力」の話をするならば、「一人あたり~」のような効率性の指標はちょっと場違いです。
実際イギリスの視線の先にあるのは、成熟した日本ではなく、あの巨大な購買力(purchasing  power)とマーケット、そして何より成長の可能性なのですから。

■GDP per head/capita (一人あたりGDP)
■economic growth (経済成長



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華やかでない写真が撮れました。
まあ普段はこんなものでしょう。