おそらく日本ではニュースにならないこの補欠選挙(by-election)。
まあイギリスでも、「へえ」という程度のトピックスなのですが、一応ニュースのヘッドラインにはなるので、
ご紹介してみます。
(※前回記事はこちら ⇒ 「補欠選挙 "defection" 首相へのバースデープレゼント?」 )

前回に出てきた「Clacton」という場所で行われた選挙では、保守党を「defect」し、あらためてUKIP代表
として立候補しなおした議員が、事前評判どおり勝利しました。UKIPにとっては記念すべき第一歩であり、
初めて選挙でウェストミンスターの議席を勝ち取ったことになります。

あとで気付きましたが、実は同じ日に、もう一つ他の場所でも同じような選挙をやってましたね。
ここはもともと地盤を持っている労働党が勝利。ただし、UKIPの候補にかなり差を詰められての辛勝です。

この補欠選で当選しても、任期は次の総選挙までの半年ほどですし、ほんの少し未来を占うという程度
のイベントでしょうか。UKIPに勢いがあるのは確かですが、今の時点でウェストミンスターの議席の数から
言えば、「650分の1」の発言権しかありません。

とにかく、「House of Commons」の3つの空席のうち、これで2つが埋まったことになり、残りの1つの議席
は来月の選挙で決まります。


ついでに、今の時点で各党が「House of Commons」にどの程度の議席をもっているか、国会のHPを参考
に載せてみます。
※「House of Commons」についてはこちら ⇒ 「イギリスの政治のしくみ(2) 国会議員と総選挙」


Conservative             303  (47%)
Labour                       257  (40%)
Liberal Democrat       56    (8%)
その他         33     (5%)
Vacant                           1
合計          650

保守党(Conservative)は2010年の選挙で過半数を取れなかったので、3番手のLib Demと連立(coalition)
を組んでいます。
また「Vacant」というのは「空席」のこと。先月は3だったのが、2つの補欠選が終わって、1に減りました。



せっかくなので、日本の衆議院の議席数もみてみます。

自民   294   (61%)
民主   55  (12%)
維新   41    (9%)
公明   31    (6%)
その他  59    (12%)
合計  480

こちらも連立政権。こうして比べてみると、イギリスの二大政党の存在感(9割近くを占める)がハッキリ
際立ちます。
これは選挙システムの違いが影響していて、イギリスでは、その選挙区で票をたくさん取った人が勝ち
という、シンプルな「小選挙区制」(first past the post)を採用しているため、大政党に有利です。
一方、日本は比例代表とのミックスであり、少数政党のシェアが若干高くなっていることがわかります。

イギリス式では死票が多くなるという短所がある反面、ちょっと過激なことを言う政党が出てきたとしても、
簡単には議席をとらせないというディフェンス力があるのは長所と言えるでしょう。


■first past the post (小選挙区制)
■proportional representation(比例代表制)

■wasted vote(死票)